国中が見守る、あの子の名づけについて

国中が見守る、あの子の名づけについて

 

今日もどこかで、生まれてくる子ども、あるいは生まれてきた子どもに名前が付けられていることでしょう。日本中という範囲で考えると、名前が付けられない日というのは、一日だってないのかもしれません。そんな沢山の名前の中で、国中が注目する名づけというものがあります。「いったいどんな名前が付けられるのかな」とみんなが気になって、テレビのニュースになるくらいの名づけです。それはいったい、なんでしょうか?

 

あのモコモコとした、かわいらしい姿を思い浮かべた人もいらっしゃるかもしれません。そう、パンダの名前です。パンダの赤ちゃんが生まれたときは、テレビのニュースにもなって、国中が喜びに包まれているような雰囲気になります。着実に成長を続けるパンダの赤ちゃんをテレビ越しに見守る我々は、まるでパンダの親か親戚になったかのような入れ込みようですよね。

 

そんな中には、生みの親は無理にしても、名付け親になる人もいます。それが、パンダの名前の公募です。2017年6月12日に上野動物園で生まれたジャイアントパンダの赤ちゃんの名前は、一般からの公募によって決められたのです。応募件数は、なんと全国から322,581件もあったそうです。そんなに多くの人が名前を考えてくれるなんて、なんとも幸せに満ち満ちた名づけですよね。それだけ多くの人が、まだ会ったこともないパンダの赤ちゃんの幸せを祈っているということですから。

 

そんな沢山の応募の中から応募の多かった名前100点を対象に選考が行われ、名前候補選考委員会によって国内外のパンダと同じ名前でないか、既存のキャラクターと重複していないかなどのチェックを経て投票され、8点が候補となりました。その8点の中でもっとも応募数が多かったのが、みなさんもご存知の「シャンシャン」だったというわけです。この名前は選考委員会でも高評価を得たらしく、商標登録の調査や中国との協議を経て、正式にシャンシャンという名前が付けられたのです。

 

シャンシャンは漢字で書くと「香香」で、これは「花が開く明るいイメージ」を持っているといいます。みんなの幸せになってほしいという願いのこもった、愛らしく前向きな、親しみやすい名前ですよね。

 

ちなみにパンダの名前は、今回のシャンシャンのように同じ字を繰り返す名前が多いのですが、これは特に、「そうしなければならない」という決まりはないそうです。日本に初めて来たパンダが「カンカン」と「ランラン」だったことから、日本でも同じ音を繰り返して中国風の名前にするのが主流となったようです。中国では、このように繰り返す名前には相手をかわいがるニュアンスが含まれているということなので、パンダの名前にピッタリだという理由もあるのかもしれません。

 

日本中のみんなが幸せを願う、そんな素敵な名づけについてのお話でした。自分の子どもにも、パンダの赤ちゃんに込められる以上の願いを込めて、満足のいく名前を考えたいですね。