有名人の名前を借りて命名するときに、気を付けたいこと

有名人の名前を借りて命名するときに、気を付けたいこと

 

自分に子供ができたとわかったときというのは、人生の中で出合う嬉しさのなかでもトップクラスのものでしょう。どんな子に育つかな、どんなものが必要かな、というように、これからのその子との人生を想像すると心が躍ってしかたがないという方もいらっしゃることでしょう。

 

しかし、当然のことながら悩んだり頭を抱えたりする場面もやってきます。その中でも誰にでも覚えがあるのが、「どんな名前を付けるか」ということではないでしょうか。名前というものは、その子が死ぬその瞬間までずっと名乗り続けるものです。もちろん改名という制度もありますが、基本的にはずっと、同じ名前で生きていくという人が多いでしょう。

 

それに、「名前はその人そのものである」ということも言われます。名前がその人をその人たらしめるのか、名前から周囲の人がその人に対して抱くイメージが決まるのか、理由はどうあれ、名前はその人の人生や人格に大きく影響を与えることは確かです。ですので、新しく生まれてくる命に対して、気軽に適当に名前を付けるということはできません。ほとんどの方が、「ああでもない、こうでもない」「あっちのほうが良いかな、いやこっちの名前も素敵だな」と、時間の限り悩み続けることでしょう。

 

名前と知名度

そんな悩める時間にあって、「自分の好きな偉人や有名人の名前を借りてくる」というのはよく使われる方法です。歴史上の偉人や有名人は評価が大きく変わるということもありませんし、知名度もあります。ですから、これからその子が生きていくうえで出合うであろう人たちに対しても、共通認識として「ああ、あの偉人から付けられた名前なんだね」「良い名前だね」というふうに受け入れられることでしょう。

 

しかし、有名人から名前を借りてくる場合には、気を付けなければならない点もあります。それは、まだ存命中の有名人の名前を借りてくるという場合です。なぜなら評価がまだ定まっていない有名人の場合は、明日にもその評価がぐるりと変わってしまう可能性があるからです。毎週のように芸能人や政治家の不祥事がスクープされているような時代です。昨日までは素晴らしい人だと思われていた人でも、明日にはその評価は地に落ちているかもしれません。そのときに、その有名人の名前を付けられた子は、少なくとも良い気分にはならないことでしょう。

 

それと同じように、まだ連載が続いている漫画や小説の登場人物から名前を借りるのにも危険がともないます。連載中に、ものすごい極悪人になる可能性もあるのです。

 

このように、有名人から名前を借りて命名するというのは素晴らしい方法のひとつではありますが、気を付けなければならない点もあるということは理解しておきましょう。